歴史にグルメに遊びも
淡路島で城下町散策

淡路島の中央にある洲本市は、江戸時代に城下町として栄えたまち。
碁盤の目に区切られた町割りや古い建物が残り、城下町の雰囲気が色濃く漂っています。
徒歩圏内で歴史探訪、グルメ、ショッピング、海水浴、温泉が楽しめ、
ぎゅっと楽しみが詰まっています。

洲本城は室町時代後期、紀州・熊野水軍の安宅氏により市街地の南にそびえる三熊山山上に築かれました。その後、豊臣秀吉が淡路を攻め、家来の脇坂氏が城主となり、大阪城を守る水軍の拠点として大改修が行われました。現在見ることができる要塞のような石垣や土塁などの遺構は、この時代に築かれたもの。山上に立つと大阪湾や紀伊水道を一望でき、見張りに絶好のロケーションだったことがわかります。江戸時代には山上の城は不要となり、徳島藩の家老・稲田氏が山麓に居館を設けて淡路全体を治め、城下町が整備されました。

現在、堀端筋商店街になっている通りは、かつての堀。ここで二分され、お城に近い東側の内町に上級武士、西側の外町に町人が住んでいました。西の端には、敵の侵入を防ぐための寺町が今もその姿をとどめています。あちらこちらに昔の町割りや通りの名を記した標識があり、想像を膨らませながら歩くと楽しいもの。城下町の歴史に、自然豊かな淡路島とは異なる表情を見ることができます。

~古民家で楽しむ食とアート~
洲本レトロこみち

城下町の小さな路地を入ると、築100年以上の町屋や民家をリノベーションしたお店が並ぶ洲本レトロこみちがあります。高齢化などで空き家が増えていたところ、町を愛する人たちが立ち上がり、「地域に元気を取り戻したい」と再生活動をスタート。その思いに共感した地元の人や移住者などが、こだわりの雑貨店や淡路産の食材を使ったカフェ、食堂、ギャラリーを次々オープンし、まち歩きの楽しみになっています。

どの店もレトロな雰囲気を壊さないように看板は控えめで、1軒1軒のぞいていくのが楽しみです。春と秋にはまち歩きイベント、月1回「おもっしょい市」として音楽やお笑いライブなどを開催。「歴史やまちを知ればますます洲本が好きになりますよ」と城下町洲本再生委員会のみなさん。まちの人とのふれあいも楽しく、ほっと温かくなる場所です。

左から城下町洲本再生委員会メンバーの錦野さん、野口さん、山本さん。
レトロこみちは「レトロスモト」の藍色の旗が目印。

こみち食堂

城下町洲本再生委員会メンバーの野口さんが営む食堂。地元の食材を使った手づくりの味を楽しめる。「食事なしでも気軽に立ち寄って」という心づかいがうれしい。

住所/兵庫県洲本市本町6-3-33  TEL/0799-22-1874
営業時間/11:00~16:00  定休日/水曜日

坦々叉焼冷麺セット(ドリンク付) 1,300円

たねさん 釜焼きチャーシューと中国茶

伝統製法で焼き上げたチャーシューは旨みたっぷりで、添えられた淡路島の甘い玉ねぎとの相性もばっちり。台湾で仕入れた茶葉を使ったおいしいドリンクもぜひ。

住所/兵庫県洲本市本町5-4-15  TEL/090-1221-5351
営業時間/8:00~10:00、11:00~18:00(L.O.17:00)  定休日/木曜日

洲本の見どころ、遊びどころ

大浜海岸から洲本温泉街につながる約1.2kmの洲本シーサイドスカイウォーク。海水浴の後に、遠く大阪や和歌山まで見渡しながら歩き、温泉に浸かるのも楽しい。
海の神様をまつる厳島神社の参道の入り口に、昔の町割りがわかる碑が立っている。江戸時代には厳島神社はもう少し海側にあった。
海や市街地を見下ろすように立つ洲本城。天守は当時を復元したものではなく、昭和3年に建てられた模擬天守。ここからの眺望は洲本八景に数えられている。
旧鐘紡紡績工場のレンガ造りの建物を利用した複合文化商業施設、洲本アルチザンスクエア。市民工房やギャラリー、淡路島の食を味わえるレストランが入店。
洲本バスセンター交差点に立つ岩田康郎像。氾濫していた洲本川の付け替え工事を明治37年に行い、埋め立て地に鐘紡紡績工場を誘致して町の発展に貢献した。
洲本城跡には積み方の異なるたくさんの石垣が残っている。写真は本丸へ通じる大石段。山麓の居城から山上の城を結ぶように築かれた珍しい登り石垣もある。

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  • 環瀬戸内海地域交流促進協議会の取り組み

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