宇多津の魅力再発見!塩の町に残された港町の面影。

香川県のほぼ中央、瀬戸内海に面した宇多津は、かつて塩の町として全国に名を知られていました。塩業の衰退とともに塩田は埋めたてられましたが、現在その地は新宇多津都市という新しい町に生まれ変わり、人、モノが行き交う玄関口としてにぎわっています。
しかし、この町にはもう一つの顔があります。塩で栄えるよりはるか昔、”津“と呼ばれる自然港があり、交易拠点として政治・経済・文化の中心地でした。古街と呼ばれるエリアには入り組んだ路地や寺町など当時の面影が残されています。歴史に思いをはせながら歩けば古の表情が浮かんできます。


古街

町役場の南、旧丸亀街道が通る一帯が「古街」エリア。室町時代からにぎわった地区で、由緒ある神社仏閣や伝統的な日本家屋の町家が連なっています。入り組んだ町並みや町家の凝った意匠を見つけなら、交易拠点として発展した往時の名残に浸りましょう。

散策の休憩に古街グルメ

郷照寺の門前にある、お遍路さんに人気の餅屋さん。塩餅、黒豆餅、よもぎ餅、おはぎなどがある。

高橋地蔵餅本舗
営業時間:8:00~17:00(売り切れ次第閉店)
休日:年中無休

宇夫階神社境内にあるうどん屋さん。神主さんが打ったうどんを食べられる。写真は揚げ餅をのせた宮うどん500円。

うぶしな
営業時間:11:00~15:00
休日:水曜日

「古街の家」で古民家ステイ

築146年と築84年の町家2棟が、古民家再生で知られるアレックス・カー氏の監修により宿泊施設として生まれ変わりました。太い梁や柱は当時のままで趣があり、土間や窓には商店だったときの名残も。水回りは最新設備が導入され、一棟丸ごと借り切って宿泊できます。
住所/香川県綾歌郡宇多津町2126-1
TEL/0877-85-6941
宿泊費/宿泊人数で異なり、1人利用は14,000円~、5~6人利用は6,000円~(いずれも1人当たり)


新宇多津

県道33号線以北に広がる新宇多津都市。かつては遠浅の海であり、広大な塩田が築かれたこのエリアは現在、商業施設や観光施設が建ち並びます。うたづ臨海公園には、復元塩田、道の駅、恋人の聖地、遊具や芝生広場があり、ここを拠点に新旧の宇多津の町歩きを楽しみましょう。

地図で見る「鵜足津」から「新宇多津」への変遷

海水面の変化に合わせて集落の中心が移動。縄文時代には青の山が削られて寺町の原型が作られた。中世には水位が下がって港町が形成。鵜足郡にある港(津)であることから「鵜足津(うたづ)」と呼ばれ、四国の玄関口として発展した。

高松藩は宇多津を経済的な拠点と位置づけ、藩の米蔵を設置。米蔵を守るため複雑な街路や寺院群が整備された。米以外にも高い利益を生む産物を奨励し、塩田を築造。塩田と海岸に挟まれた部分に新たな街区が生まれた。

天才技術者・久米栄左衛門によって宇多津の塩田の設計図が完成。着工しないまま病死するも、明治維新後の有力な商人たちによって塩田の築造ラッシュが起こり、交易都市から全国有数の塩づくりの町へ変貌を遂げた。

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